レストラン「JEAN」

   

すっかりご無沙汰をしてしまったオリヴィエです。

今回は、パリのレストラン「JEAN」を紹介しましょう。

パリの9区、サンラザール通りのはずれに位置するレストラン「JEAN」、観光客の多い界隈ではありませんが、近くに証券取引所などがあり、ゆっくりと食事を楽しむビジネスマン、また海外からの旅行者など、お店はゆったりと静かな大人の雰囲気です。

通りに面したシックな入り口ですが、中は女性好みの優しい雰囲気のお店です。
2006年以来、ミシュランの1つ星を獲得しています。

今、パリで力をつけている若手シェフ、Anthony (アントニー)が2008年から腕を奮っています。(写真☇)

偶然ですが、彼は私の会社があるANCENIS (アンスニ)出身で(本当に小さな町です!!)、今では私の弟のような存在。

毎回、何を食べさせてくれるのか、どんな驚きがあるのかわくわくしているんですよ。

今夜もシェフのお任せメニューをいただきました。


まずはアミューズ・ブーシュ

左から
ピーナッツのムースをサンドしたチュイル、
ゆず風味のタラマをのせたタルトレット、
いちじくをのせたフルムダンベールチーズ
フィンガーフードで楽しみます。


アントレ1品目

レモンやオレンジの皮、香草で軽くマリネしたサーモン、少し見えづらいですが上にのっているふわふわしたものは、日本のとろろ昆布をさっと揚げたもの、軽い食感ながら海のもので合わせた非常にユニークな発想です。

赤紫のものはビーツ、右下のものは、日本の桜の花の塩漬けを使ったヴィネグレットソースです。

アントレ2品目


低温調理で長時間じっくりと火を通したエスカルゴ(フランスでは春、秋にエスカルゴをよく食べます)です。

濃厚でありながらも驚くほど柔らかく、今まで食べたエスカルゴの食感とは全く異なりました。

下にあるのはボーフォールチーズを使ったピューレのようなとてもクリーミーなリゾット、もっと食べたい!!と思わせる素晴らしい一皿でした。

日本の食材、黒にんにくも使われています。


魚料理

大型のヒラメのチュルボー、赤キャベツなどの野菜がミルフィーユ状に重ねてあります。

わさび風味のオリーブオイルが爽やかな風味。

上にのっているもの、何だと思いますか?これは仔豚の耳をかりかりっと揚げたもの、意外な組み合わせを楽しみました。根セロリのピューレが添えられています。

肉料理

寒くなってくると食べたくなるのが鳩です。

最初このお皿は鳩がないまま登場。皆、フォークでチョコレートを持ち上げたりして鳩を一生懸命探してしまいました…。


すると別皿で鳩がやってきて皆のお皿にのせてくれました。

肉汁などでお皿が汚れてしまう、のが理由だそうです。

カリッとした香ばしい皮、しっかり血の残った胸肉、栗かぼちゃのピューレ、鳩のレバーのムース、ナッツ、チョコレート、などがよいハーモニーを生み出していました。そして隠し味として、日本のフルーティーな梅干を使っているそうです。気が付かなかった!!


デザート


クレーム・シブスト、フロマージュブランとレッドフルーツのアイスクリーム、上のカリカリしたものは、パートカダイフです。



写真の私の顔を見てもお分かりのように今夜もアントニーの料理を堪能しました。

新しい食材を自分のフランス料理に柔軟に取り入れ、新しい味を見つけ出しています。まだまだたくさんの引き出しを持っている彼の今後に期待します。

サービスを担当するオーナーのJEAN(ジャン)さんは、メートルドテルとしてパリのレストランTAILLEVENT(タイユヴァン)で20年働き、2002年にこのお店をオープンしました。

パリに行かれたときには、是非一度寄ってみてください。

Restaurant JEAN
8, rue Saint-Lazare
75009 Paris
Tel 01.48.78.62.73
Fax 01.48.78.66.04

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京都「美山荘」

こんにちは、オリヴィエです。

少し前に、約3週間の日本滞在を楽しみました。日本のあちこちを旅行し、毎年恒例になりつつある、パリのミシュラン2つ星レストラン「サンドランス」のシェフ、ジェロームとの賞味会など、多忙ではありましたが充実した日を過ごしました。(賞味会のレポートはトップトレーディング発行商品案内チラシ 「さくら通信vol.12」に掲載されています。)

近づく春の気配を感じながら、美味しいものをたくさん食べ、たくさんの日本の方々との出会いもありました。

その中で今回、摘草料理で有名な京都・「美山荘」に食事に行く機会に恵まれ、忘れられない経験となりました。

京都の中心部から車に乗って1時間もすると、私が知っているにぎやかな京都とは思えないような景色に変わります。

大自然に囲まれた山深い細道をどんどん進んでいくと、何だか自分が別世界に連れて行かれるような気持ちで、期待は高まります。

そして山深い中にひっそりと佇む「美山荘」に到着しました。



車を降りると、流れる空気の穏やかさを感じます。

しっとりとした佇まい、若女将さんの温かいお出迎え、何だかもうすっかり感動してしまいました。


ここのお料理は、「摘草料理」というもので、四季折々の地元で採れる素材の持ち味を生かした懐石料理です。

まずは、畳の部屋であけびの葉のお茶をいただきました。

食欲が高まる効果もあるというこのお茶、独特の苦味があるのですが、我々フランス人には非常に美味しく感じられました。


   和室であけびの葉のお茶をいただいた
   ジェローム(右)と私。

本当の懐石料理は和室でいただくそうですが、お食事は、やはり椅子席で・・(足が痛くならないようにとのご配慮で…)ということで、カウンター席に移動です。

数々のお料理をいただいたのですが、私の特に気に入ったいくつかをご紹介したいと思います。



                               ↑どれから食べたらいいのでしょう!

まずこの籠が出てきたときに、あまりに美しい色の組み合わせ、盛り付けにすっかり魅了されてしまいました。

いくつものお料理が組み合わされていますが、食べてみると歯応えや食感などの違いも楽しむことができ、それぞれの食材の自然の味が最大限に生かされているのを感じます。

一番びっくりしたのが、手前にある卵の黄身の味噌漬けです。(さくらんぼのシロップ漬けかと思いました!!)

邪魔しすぎない白みその風味とともにねっとりとした黄身が口の中で溶ろけるような、これは生まれて初めての衝撃的な経験でした。

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塩釜で焼いた筍です。

掘りたての旬の味をひとつも逃さずいただきます。独特の歯応え、香り、蒸して焼いてあるのでたっぷりと汁気を含んでいます。ちょっとフランスの山栗にも似た味わいです。

ふたを開けるとなんともいえない深い香りが広がります。

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次は山菜の天ぷらです。



山菜は全て地元で採れるもので、新鮮な山の香りにあふれています。

網笠茸(写真左の右上の茶色いきのこ)はフランスでもモリーユと言って春に食べますが、こんなに大きくて綺麗なものは、めったに手に入りません。

これを目の前で天ぷらにしていただきました。

フランスでも天ぷらという調理法を取り入れているレストランがありますが、野菜を素材に使う、ということはほとんどありません。

天ぷらにすることで素材の香りがより引き立ち、軽い食感と共に、苦味や辛味、といったそれぞれの特徴を楽しむことができました。

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地元で捕れた猪の鍋です。




目の前で調理をしてくれます。

天然ということですが、味わいは繊細で優しく驚きました。

フランスの猪はとても野生味が強く、このような調理には向かないと思います。さっと火を通した新鮮な野菜の歯応え、また猪の脂が素晴らしいだしの味となっていました。

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見てください!この美しい姿!!



こちらは焼き魚の雨女魚(あまご)です。

これも近くを流れる川で捕れたものです。

柔らかな身とほんのりした甘み、骨も柔らかいので全て食べられます。

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このように驚きと感動いっぱいの食事を堪能した後、なんとご主人の中東さんは、フランスからやってきた私たちを調理場に入れてくれ、日本料理のことをいろいろと教えてくれたのです!!

もう私は夢中になってメモを取りました!!


 ↑だしの取りかたを教わっています。
 

 ↑ごま豆腐に挑戦です。
 

 ↑もちろん卵の黄身の味噌漬けも
 しっかり教わります。

 ↑味見は世界共通です。
 

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車を降りてから最後出発するまで、至福の時間を過ごしました。

美味しいお食事はもちろんですが、周りを取り囲む自然、それと調和した建物、調度品、食器、と正真正銘の日本文化を楽しんだ一日でした。

でもそれを更に高めてくださったのは、中東ご夫妻の温かなおもてなし、お心配りだったと思います。

私の人生において、素晴らしい経験と感動をありがとうございました!!



ご主人の中東さん、若女将さん、本当にお世話になりました。

日本発見の旅、次回もお楽しみに!!

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Nishikidôri Market

皆さん、すっかりご無沙汰してしまいました。オリヴィエです。

フランスは今はすっかりクリスマスムード一色で、一年に一度、子供達はサンタクロースがやって来るのを待ち焦がれ、大人達は、「今年は何を食べようか?」と一緒に過ごす人達のことを考えながら、頭を悩ませています。

そんなフランスで、1年に2回開催される « Salon Saveurs des Plaisirs Gourmands » という食材の展示即売会があります。毎年、春の復活祭とクリスマスの前、フランス人が一番大切にするご馳走を食べる日の前、パリ17区のEspace Champerret という場所で行われ、高品質の食材(フォアグラ製品や魚加工品、フレッシュの家禽類、シャルキュトリー、お菓子やチョコレート、アイスクリーム、ワインなど)がたくさん並びます。

4日間で入場者は約40,000人、入場者1人が平均200ユーロを購入する、というこのサロンは、美味しいものに目のない一般の方だけでなく、プロの料理人やジャーナリストなどもたくさん訪れます。

今年は、12月5日~8日の4日間だったのですが、

私、なんと出展してしまいました!

日本と仕事を始めて約15年、フランス、ヨーロッパからたくさんの食材を日本に輸出してきましたが、仕事で親しくなったフランスの料理人などの要望で、去年から日本の食材や調味料、包丁、調理器具などをフランスに輸入し、プロ向けに販売を始めています。

でもずっと前から思っていました。

「日本の優れた商品を欲しがっている市場は絶対にある」と。

ここ数年、日本を旅行するフランス人は飛躍的に増え、パリの日本料理レストランでは、たくさんのフランス人を見かけます。なのに、日本の商品って、パリでさえなかなか手に入らないのです。

しかも、「 とても高い・・・」

プロの料理人達が評価する食材や包丁を、グルメの多い普通のフランス人が評価しないわけがない、また、日本を離れてヨーロッパで暮らしている日本人の人達が欲しがらないわけがない、

ということで、インターネット販売を始めることにしたのです。  

コンセプトは、日本由来の食材、日本古来の製法にこだわって作った商品、また日本の技術力で開発された特殊な商品、をなるべくお求めやすい価格で提供する、というものです。

その名も、

Nishikidôri Market

私が日本で大好きな場所のひとつに、京都の錦市場があります。この小さな通りには、たくさんの日本の食材が、季節や食文化、そして歴史、と共につまっていて、いつ行っても楽しくって大好きな場所です。

この市場がある通りを錦通りと言います。私のサイトもこの錦市場のように日本の素晴らしさが凝縮された場所にしたい、そんな願いを持って Nishikidôri Marketと名付けました。

今回のインターネット販売開始のアピールはもちろん、直接いろいろな人の反応や話を聞きたいと思い、出展を決めたのです。

初日から、人、人、人・・・。

出展の場所があまり良くなかったのですが、何だか見たこともない食品が並んでいる私のブースで、皆さん、立ち止まります。

「なんか見たことないわね」

「初めての出展よね」

と常連さん達。

「 なんなの、これらの食材は?」と興味津々の人達。

「お茶はないんですか?味醂は?味噌は?」とすでに日本の食材を知っている人達。

「すごい、日本のものだ!!」と感激している日本の人達。

「・・・・」

あまり多くを語らず、寡黙に味わうプロの料理人達。

とにかく、食べてもらって説明をして、興味を持って納得して買ってもらうしかない!!

ということで、日本食材の営業マンとなった私は、朝から晩まで説明し続けました。

決して試食してくれた人達が、皆買ってくれるわけではありません。(フランス人はそんなにすぐに飛びついては買わないのです・・) でも、皆さんの感想を直接聞いたり、反応を間近で見たりできたのは、とても参考になりました。

「あれはないの?これはないの?」という声は、これからの商品探しのアイディアにもなります。

いくつかの取材もありました。 期間内に、日本のことをテーマにした座談会のようなものがあったのですが、急遽出演を依頼され、いくつかの食材を紹介しました。(France info というラジオ局の有名なジャーナリストのPhilippe VALLET 氏が司会でした)

また、サロンに出展をしていた、チョコレート職人、アイスクリーム職人、バター職人、と皆がうわさを聞きつけてやってきました。

フランスでは、ここ数年「YUZU」がとても流行っていて、皆、本当にフレッシュで香りの高い柚子の加工品を探しています。それぞれの分野のプロの人達の話はとても参考になります。

日本からは、助っ人でM奈子さんが駆けつけてくれました。

4日間、3人でてんてこ舞い、家族などの手伝いもあり、初めての経験でしたが、反応は上々でした。新しいマーケットを作っていくには、今の世界経済はちょっと厳しいですが、でももっともっと世界の人に日本を知ってもらいたい、日本のいい物を食べてもらいたい、この私のパッションが皆に届けばいいな、と思っています。

皆さんもフランス(ヨーロッパ)にお住まいの知人の方に是非「Nishikidôri Market」を紹介してください。日本の美味しいものがたくさん揃っていますよ!

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日本滞在記

いつもはフランスから皆さんに食の情報をお届けしていますが、今回は、先日滞在した日本についてお話したいと思います。

日本と仕事をするようになって早10年、1年に1度は出張で来ますが、本当はもっと来たい!! (ゆっくり観光に来たいのが本音なんですが・・)

日本の文化、日本人の心、そして何よりも日本の食べ物!!(見てのとおりの食いしん坊の私はこれが何よりの楽しみ、でも梅干しと昆布茶だけは苦手・・)もちろん、仕事もきっちりやります。毎回来る度にたくさんの情報を持ち帰り、次のビジネスチャンスは何かと探っているのです。


ジェロームの賞味会

賞味会にて そして今回は、去年と同じく私の友人ジェローム(パリ・サンドランス料理長)と一緒に、約2週間滞在しました。 前半はジェロームの賞味会が東京、大阪であったのですが、 私の仕事は使われた食材に日本の皆様が満足しているか、また味は問題ないかなど をよくチェックすること、つまりたくさんしゃべって情報収集、自分で食べることが仕事です。
賞味会の詳細はこちら




Izakayaでの楽しいひとときトップトレーディングスタッフとの楽しいひと時
たこ焼きに挑戦そして夜は夜で仕事が終わった後に、トップトレーディングスタッフと 楽しく食べて飲んでコミュニケーションをはかる
のが大きな楽しみなんです!! (もちろん、仕事の話が中心です。)


そして後半は、刃物の製造で有名な大阪堺市に出掛け、日本の包丁について学び、週末は京都に滞在しました。

堺包丁ミュージアム

大阪の堺の包丁ミュージアムには、たくさんの包丁が展示されていて、ビデオで製造工程などを見ることができます。また、包丁研ぎの実演もやっていてとても勉強になりました。

包丁研ぎジェロームもそうですが、実はフランス人のシェフで日本の包丁を使っている人はとても多いんです。素晴らしい切れ味や柄の重さ、握り具合、包丁の型もフランスでは見つけられないものがたくさんあります。

その後は、包丁の製作所にお邪魔して、実際に製造工程を見せていただきました。そして最後に、包丁研ぎの実演もさせてもらったんですが、力の入れ加減と研ぎの角度がなんとも微妙・・・

難しかったです。


祇園

そして京都の夜、そうです、祇園です。京都に来るたびに連れて行っていただくのですが、綺麗な舞妓さん、落ち着いた雰囲気、私もジェントルマンを気取って楽しく過ごします。(そう見えませんか?)

祇園にて



錦市場

次の日は天気も良く、朝から錦市場をぶらぶらしました。東京では目にしないような食材がたくさん並んでいて、いつ来ても興味深々でとても楽しいです。そして、あちこちで試食ができるのもたまりません。

1.大きな大きな日本のホタテ貝、フランスのものとは全く味が異なり甘いです。

ホタテ

2. いろいろな味付け昆布、意外とフランス料理に合うような?

昆布

3. ちょうどたけのこの季節、こんな白い新鮮なものは初めて見ました。価格にもびっくり!!

たけのこ

4. 料理屋さんでも、季節の山菜をいろいろと食べました。フランスには、あまり山がない  ので山菜は見かけません。苦味、風味、とても日本らしい食材だと思います。

山菜

5. やっぱり京都は日本料理の本場、だしの味が違います。私も自宅に、日本の鰹節削り持ってます!!

鰹節

そして、錦市場をちょっと出たところですごいものを見つけてしまいました。何だかカステラのようなお菓子、機械でどんどん作っているのですが、通りに面したガラスから見ることができます。 ジェロームも私も目が釘付け・・・。



次から次へと自動で出てくるんですが、あんまり面白くてしばらく動けませんでした。もちろん、出来立てをその場で買って試食、しっとりとした生地に白あんが入っていてとても美味しかったです。

東京スタッフと打ち上げ そして旅も終わり東京に戻りました。最後の夜は、東京のスタッフと打ち上げです。トップトレーディングのスタッフの皆さん、いつも温かく迎えてくれて本当にどうもありがとう。

今回も、本当にたくさんのことを勉強することができました。 今度は皆さんにフランスで会える日を待っていますよ。

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オリヴィエのスペシャルメニュー

私はフランス・ブルターニュ(Bretagne)地方の出身です。海に囲まれ自然が豊富なブルターニュ地方は、フランス人がヴァカンスを過ごす場所としても非常に人気があり(ニース近辺はもちろん人気がありますが何でも高いんです!!)、またこの土地独特な食文化、食材などもたくさんあります。そして、この地方出身のフランス人(ブルトン~Breton~と言います)は頑固一徹、人情に厚い、そしてブルトン同士というだけで仲良くなれる!!ということでも有名です。

地図 私の会社はその少し下、ロワールアトランティック(Loire-Atlantique)地方のアンスニ(Ancenis)に位置し、そこの近くに今は住んでいます。車で60km程走ると、フランスで6番目の都市、ナント(Nantes)があります。海が近いナントは魚介類も豊富、街のあちこちに出るマルシェには、1年を通じて様々な新鮮な魚が並びます。(刺し身で食べられるマグロも売っていて、私はこれに目がないんです!!)それこそフランス中、いや世界中の一流のシェフ達が好んで使う、ラングスティーヌ(Langoustine)やオマール海老(Homard)などもとびきり美味しいものが手に入ります。

ナントは、ブルターニュ地方も近く農作物も豊富、またこの辺りは乳製品の生産量も多いので、チーズやバターも美味しいものが手に入ります。

農家をしていた祖父母とたくさんの時間を過ごした幼少の頃、それは様々な美味しいものを食べました。決して“豪華”ではありませんでしたが、今では手に入れることさえ難しくなった自然の味を生かした本物の食べ物が、この時代にはたくさんありました。そんな私の夢は、料理人になることだったのですが、残念ながら夢叶わず、今はその美味しい食材を探し出し、それを世界中の料理人の方々にお届けすることに私の人生を捧げています。

先日、私は我が家でフランス料理フルコースを作りました。今日はその料理を写真と共に皆様にご紹介したいと思います。大切なのはなんといっても買出し、もちろんナントまで車を飛ばして季節の食材の宝庫、マルシェに行ってきました。

まずはアントレ2品のご紹介。


~アントレ①~「海の幸・ナント風サラダ」

海の幸・ナント風サラダ
フランスのマルシェでは、甲殻類はすでに加熱したものがたくさん売っていますが、こだわりの私は全てフレッシュのものを購入、自宅でゆでました。日本では見かけないですが、フランスでは通年を通して栽培されている非常に美味しいサラダ用野菜のマーシュ(Mâche)とプチトマト(共にナント産)をあしらえ、ラングスティーヌ、エビの新鮮な持ち味を生かして、シンプルなヴィネグレット(vinaigrette、ドレッシング)で仕上げました。上には薄く削ったパルミジャーノレジャーノをかけてあります。

 <食材>
 ●ロクチュディ(LOCTUDY)産のラングスティーヌ

ラングスティーヌ
日本ではあかざえび、スキャンピとも呼ばれていますが、フランスLOCTUDY産のものは世界的に有名です。甘味、そして新鮮さ、とその味は格別です。

 ●サンジル・クロワ・ド・ヴィ(Saint-Gilles Croix de Vie)産のエビ

サンジル・クロワ・ド・ヴィ産のエビ
昔はイワシがたくさん取れた町ですが、今は美味しいエビが生きたままマルシェに直送されます。写真左のピンク色がかっている方がクルヴェットローズ(Crevette rose)で、ちょっと歯応えがあり、ジュースもたっぷりで海の香りが強いです。フランスでは塩バターをパンドカンパーニュにぬって一緒に食べます。右のブーケ(Bouquet)と呼ばれるエビは、体長6-10cmで少し大きめですが身は柔かく、マヨネーズやアイヨリソース(Aioli, おろしにんにくを加えたオリーブオイルベースの乳化ソース)をつけて食べます。

 ●ナント近辺で採れたプチトマト

プチトマト
マーシュと共に買いました。まさに収穫したて!!って感じがしませんか?


~アントレ②~「オリヴィエ流 海と山の幸のドーム」

海と山の幸のドーム
25年もののバルサミコ ドームの内側をお見せできなくて残念なんですが、フォアグラ、マーシュ、ほぐしたトゥルトーの身、家の畑で取れたミニトマトで作ったペースト、さっとゆでてタリアッテレのように薄くスライスしたミニクルジェット(mini-courgettes、ミニズッキーニ)、これらを順番に層にしていき、表面をマンゴーの薄切りで覆いました。食べる時に25年もののバルサミコヴィネガーを少量たらします。
どんな味か想像できないですか? 美味しかったかどうか、それは内緒です!!

 <食材>

 ●ミキュイ(Mi-Cuit、低温で加熱した)のフォアグラの薄切り

フォアグラ
この断面の色とつや、いかにフォアグラがフレッシュだったかがよくわかります。

 ●トゥルトー(Tourteaux)の爪

トゥルトー
ヨーロッパいちょうがにと呼ばれるフランスではお馴染みのカニです。大きな爪には身がぎっしりと詰まっていてとても美味しいです。これもマルシェでフレッシュを購入、家でゆでました。

 ●ミニクルジェット(ミニズッキーニ)

ミニズッキーニ
この頃いろいろなミニ野菜がフランスでも出回っています。ちょっとしたパーティーなどの料理には、いつもと違った野菜料理が楽しめます。

次はメイン料理2品のご紹介です。もちろん、メインにはブルターニュの海の高級食材!!オマール海老とバルビュ(Barbue)を選びました。

~メイン①~「オマール海老のグラチネ、ウニのソース」

オマール海老のグラチネ ウニのソース
オマール海老は生きたまま半分に切り、農家の手作りバター、ウニ、燻製にした塩、を
混ぜたものを表面に塗り、オーブンで20分焼きました。もうこの美味しさといったら
・・・・天にも昇る気持ちでした。

 <食材>

 ●ブルターニュ産オマール海老(Homard Breton)

オマール海老
この立派な体格見てください。これ何と1尾で1.7kgあります。もちろん生きています。

 ●ウニ(Oursin)

ウニ
フランスでもウニを食するということは、あまりご存知ないかもしれませんが大きな海沿いのマルシェに行けば売っています。

 ●スモーク塩(Sel fumé)

スモーク塩
アイルランドのConnemara産の食材で、海塩を泥炭の上でスモークにしたものです。白身の魚などに合わせると、強いスモークの香りと味を楽しめます。

~メイン②~
「ブルターニュ産バルビュ(Barbue)のポワレ
塩バター風味 ミニ野菜を添えて」

パルビュのポワレ
バルビュは骨付きのまま大きくカットして、フライパンでさっと焼きました。付け合せにはミニ野菜とアンディーブ(Endive)、セップ(Cepe)のにんにくソテー、パースニップ(Panais)のピューレ、トマトソース、食べるときにフライパンでちょっと焦がしたバターソースをかけていただきます。

 <食材>

 ●Barbue(バルビュ)

バルビュ
正確に言うと、ひらめに似たカレイ目の海水魚で、北東大西洋、地中海沿岸の水深200m以下に生息しています。体長30-75cmで重さは1-2kgですが、写真の私の携帯電話と比べてもらえばその大きさはわかります。身は脂肪分が少なくあっさりとしています。

 ●ミニ野菜

ミニ野菜
ティースプーン程度の小さな野菜たち。まるごと付け合わせに使うとかわいらいい演出ができます。

さて、メインの締めくくりは肉料理です。

~メイン③~
「スペインカスティーユ(
Castille)産乳飲み仔羊の
肩肉のロースト、サリエット風味」

アニョードレのロースト
骨付きの肩肉は約650g程、骨を抜いて成型をし、サリエット(Sarriette)を合わせました。
サリエットは、和名で「キダチハッカ
」と言い、ミントとタイムを合わせた香りの香草でフランスでは仔羊とよく合わせます。オーブン230℃で約25分焼き、付け合せには、じゃがいも、にんじん、ズッキーニを組み合わせました。この小さなじゃがいも、ポムドテール・グルナィユ(Pomme de terre grenaille)と言うんですが、にんにく風味でソテーするともういくつでも食べられます。(ちょっと焦げすぎてしまいましたが・・・)

 <食材>

 ●アニョードレ(Agneau de lait)

アニョードレ
仔羊の中でも乳飲み仔羊の美味しさ、は格別です。そしてなんと言っても私が世界で一番美味しいと思っているCastille産のアニョードレは、飼育日数平均27日、肉の味、柔かさ、脂の味、と一度は食べていただきたい食材です。(パリに行かれた時には是非レストラン・サンドランスへ、グランドメニューに出ている人気の1品です。)


最後はデザート
しっかりと食べましたので、デザートは軽いものを。


~デザート~
「いちじくのロティ(Rôti)、アイスクリーム添え」

いちじくのロティ"
フレッシュないちじくをフライパンでさっとソテーしました。アイスクリームを添えていただきます。

<食材>

 ●いちじく

いちじく
マルシェで買った新鮮ないちじくは糖度が高く、実もしっかり詰まっていて、とってもジューシーです。


もちろんプロの料理人ではないので、レストランのような訳にはいきませんが、僕も時々こうやって腕を奮います。こうした料理を美味しいワインと一緒に、楽しくおしゃべりしていただく、これこそフランスの文化だと思います。また季節が変わったら、フランスの様々な食材をご紹介したいと思いますのでお楽しみに。


ボナペティ!!

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シャラン鴨の由来~ムッシュー・ソレのお話~

フランスという国は、地方や田舎に行けば行くほど、豊かな自然に触れその地方特有の魅力を楽しむことができます。のんびりと旅行や散歩をしたり、その土地で美味しい食べ物を食べたり、出会った人々と話をすることは、私達の人生を豊かにしてくれます。

私は少し前に、シャラン産鴨の生産で名高いVendée(ヴァンデ)県、Soullans(スラン)の近くで、10名程しかいないシャラン鴨の生産者の中でも特に重要な人物、と言っても過言ではない、SORET(ソレ)さんに出会いました。SORET(ソレ)家では、4代続いて鴨の飼育をしています。
SORET (ソレ)さんは、なぜSoullans(スラン)の位置するこのVendeé(ヴァンデ)県で鴨の飼育が始まったのかを教えてくれました。

遥か大昔、このVendée(ヴァンデ)県は、大きな地震によって海岸地帯が完全に崩れ落ち、大地の大部分が水浸しでした。耕作可能な土地も、高潮により頻繁に水没し、沼地となっていました。その数世紀後、ローマ人が勢力を持っていた時代、これらの沼地にはたくさんの塩田が掘られ、11-13世紀になると、ベネティクト教会の修道士達が、この塩田で塩の製造を始めました。またこの沼地は、並外れた様々な自然相を持ち、多くの野生の鴨が飛来しており、修道士たちはそれらの鴨を捕獲し飼育することに成功しまし た。これがVendeé(ヴァンデ)県での鴨生産の始まりだそうです。18世紀まで盛んだった塩の生産はその後衰退し、19世紀の終わり頃から、これらの沼地では、鴨だけでなく、牛、羊などの飼育も盛んになっていったそうです。

姿を消したカナール・スランデ修道士達によって飼育されていた鴨は、Col Vert(コルベール/青首鴨)に近い鴨で、Soullans(スラン)で飼育が始まったため、Canard Soullandais(カナールスランデ)と呼ばれていました。
1970年代までは、この地方でも市場などで売られており、レストランでも美味しい鴨としてよく調理されていましたが、肉の歩留まりが低く、だんだんと飼育数は減っていき、いつのまにか姿を消してしまいました。今では、Soullans(スラン)地方に数えるばかりのつがいが残っているだけです。その肉は濃い赤色で、とても美味しかったそうです。

SORET(ソレ)氏の飼育場を訪問した時間は、そんなヴァンデの鴨の由来を教えてもらったりと、とても素晴らしいひと時となりました。ここでは、年間にCanard Challandais (カナールシャランデ/シャラン産鴨) を20,000羽、Caneton Croisé Gris (カネトン・クロワゼ・グリ/クロワゼ種仔鴨黒(灰))、Caneton Croisé blanc (カネトン・クロワゼ・ブラン/クロワゼ種仔鴨白)、も同じくらい飼育しています。

ムッシュー・ソレと私。ソレ家はシャラン鴨生産の名家。4代目ソレ氏への訪問はとても素晴らしい一時となりました。カネトン・クロワゼ・グリ/ブラン カナール・シャランデ

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フランスの冬のごちそう~牡蠣~

フランスのクリスマスは、1年の中でも特別なイベントです。この日に合わせて、地方や外国に別れて住む家族も大集合して、大人数で24日の夜から25日にかけて食事を楽しみます。フランス人にとっては、このクリスマスに何を食べるか?ということは格別なこと。いつもよりちょっぴり贅沢をして料理にも腕を奮います。肉を食べることが多いと思われが ちなフランス人ですが、海にも囲まれている地形から、もちろん美味しい魚や甲殻類、牡蠣、貝などの種類も豊富です。

そして、この時期、海水が冷たくなる冬場の海のごちそうと言えば、Huîtres(生牡蠣)、  Tourteaux (ヨーロッパいちょうがに)、Langoustines (ラングスティーヌ)などです。

生牡蠣は特にフランス人の大好物、クリスマスの食材としても欠かせません。またこの時期の牡蠣は、味がマイルドで甘みが増しとても美味しくなります。



フランス、Bordeaux(ボルドー)の上、Charentes(シャラント)地方にあるMarennes Oléron(マレンヌ・オレロン)の辺りは、フランスの中でも素晴らしい牡蠣の生産地のひとつです。David Hervé(ダヴィッド・エルヴェ)は40ヘクタール以上もの養殖場を有する、3代続くこの地方でも大きな牡蠣の養殖業者のひとつで、パリの有名レストランにも卸しています。


 
昔、このマレンヌ・オレロンは塩の生産地で、海水を取り込み塩を得るための塩田がたくさんありました。しかし、当時はフランス国家が、塩に重い税金を課しており、これが塩の生産の衰退を招き、やがてこれらの塩田が牡蠣の養殖場となり、今では非常に高品質の牡蠣の産地となったのです。


この地方には3つのタイプの牡蠣があります。

Fine-de-clair(フィーヌ・ド・クレール)

比較的安い値段の牡蠣で、海の中で18-24ヶ月間(㎡当り400個)育て、その後出荷されるまでの数週間、海水を入れた小さな池の中に移されます。

Spéciale(スペシャル)

養殖場にて3年間入念に育てた牡蠣です。大きさは小さいですが、味と質は素晴らしいです。

 

Pousse en clair(プースアンクレール)

海の中で30ヶ月、その後さらに脂肪を発達させるために、最低8-10ヶ月養殖場(㎡当り2個)で育てます。養殖場に移す時には40gの重量が、出荷時には80-100gにもなる牡蠣の中でも極上品です。

今年最後の記事になりました。来年もおいしい情報をたくさん発信したいと思います!

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農業王国フランスの野菜たち

フランスの美味しい肉の話が続いたので、今回はフランスの野菜についてお話したいと思います。フランスはその高い食料自給率からも分かるように穀物、野菜の生産が盛んです。

その種類も豊富で、日本でもおなじみのものから、日本ではあまり見かけないものまで、一年を通してマルシェの八百屋にはたくさんの野菜が並びます。また、生の野菜だけでなく、共働き家庭が多いことから、冷凍野菜や缶詰などの加工野菜の種類も豊富にあります。

ここ数年の健康志向で、栄養補助やダイエット目的で野菜を食べる人が増え、野菜は更に注目をあびてきています。また値段は高いのですが、安心を求める消費者が増え有機(BIO)野菜の人気も上昇中です。前回ご紹介したl'Arepège(アルページュ)もそうですが、高級レストランでも、付け合わせや脇役だった野菜がメインの食材となったり、はるか昔に忘れ去られてしまった野菜が再び注目されたりもしています。

日本でお馴染みの緑いんげん(haricot vert/アリコベール)や、グリンピース(petit pois/プティポワ)ホウレンソウ(épinard/エピナール)などはフランス家庭でも定番の野菜で非常によく食べられています。また他にも日本ではあまり見かけないフランスらしい野菜が色々とありますので、ポピュラーな家庭での調理法と共にご紹介しましょう。

根セロリ(céleri rave/セルリ ラブ)

日本ではセロリアックとも言われ、1kg近くにもなる球状の野菜です。主にスープにしたり、ピューレにしたりします。また薄くスライスして揚げてチップスにしても美味しいです。

西洋ごぼう(salsifis/サルスィフィ)
サルスィフィ
日本のごぼうとは異なりますが、バターでソテーしてから砂糖を加えてグラッセにしたり、クリーム煮などに使います。また素揚げにしてさっと塩をかけただけでもとても美味しく、鶏肉料理によく合います。

アーティチョーク(artichaut/アルティショ)
アーティチョーク
ゆでた芯(写真)のくぼんだ部分に、マッシュルームのデュクセル(みじん切りにしてエシャロットとバターで炒めたもの)やラタトゥイユ風に炒め煮にした野菜をつめてオーブンで焼いたり・・。ちょっと豪華な演出のできる野菜です。

ポロネギ(poireau/ポワロー)

リーキとも言い、日本の下仁田ネギにちょっと似ています。ヴィネグレットソースをかけたサラダや、スープはフランスの冬の家庭料理の定番です。

黄さやいんげん(haricot beurre/アリコブール)アリコブール
下処理後バターでソテーして付け合わせに使います。角切りのじゃがいもやトマトを加えると見た目も鮮やかで美味しさも増します。




極小いんげん豆(flageolets/フラジョレ豆)
フラジョレ豆
下処理後、玉ねぎ、ベーコンと炒めた付け合わせは、焼いた仔羊の料理に欠かせない存在です。また具だくさんの野菜スープにいれても栄養満点です。


これらの日本では見慣れない野菜たちですが、冷凍野菜としてなら日本でも入手も比較的簡単で気軽に楽しめます。

フランス、ブルターニュにあるD'aucy(ドシー社)は、フランス国内で第二のシェアを持つ冷凍野菜や缶詰など加工野菜専門のメーカーです。ここの冷凍野菜は、豊かなフランスの土壌が作り出す味の濃い野菜を主に使い、収穫から製品化まで短時間で加工処理を行い、高い冷凍技術で安定した品質が維持されています。また製品から生産農家までが特定できる確立したトレーサビリティーを備えています。

実は8月に仕事でドシー社の農場を訪問してきたのですが、ちょうど黄さやいんげん(haricot beurre/アリコブール)の収穫の様子を見ることができました。

アリコブールの収穫の様子

また新商品の冷凍ミックス野菜の試食もしました。下の写真がそうなのですが、自然の野菜の色と味がそのまま残っており、彼らの冷凍技術のすばらしさに改めて感動しました。

試食した冷凍野菜

ドシー社の製品はフランス国内のフードサービス業界でもよく使われている他、世界各国に輸出もされています。日本では私のパートナーであるトップトレーディングが輸入をしています。

少し宣伝になってしまいましたが、味の濃い美味しいフランス野菜を手軽に食べられる冷凍野菜、お試しください!

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パリの注目レストラン②

第一回ではSenderens(サンドランス)など、フランス料理界に新風を吹き込んでいるレストランをご紹介しましたが、今日は1996年にミシュランの3つ星を獲得して以来、その地位を不動のものとしている、パリ7区のレストラン、l'Alpège(アルページュ)をご紹介します。前回ご紹介した同じく3つ星の「Astrance」(アストランス)のシェフ、Pascal Barbot(パスカル・バルボ)氏も、このアルページュで副料理長をしていた方です。

8月に、トップトレーディングの社長が日本のシェフ2人とフランスにやって来ました。1週間に渡り、フランスの地方の生産者を訪ね様々な食材の視察をしたのですが、その旅の締めくくりとして、パリの中でも最も予約が取り難く、そしてお値段もとっても高い(!!)「l’Alpège」(アルページュ)にお連れしたのです。

パリの中でたったの10軒しかない3つ星レストラン。シェフのAlain Passard(アラン・パサール)氏は、肉料理の火入れに定評があり、「火入れの魔術師」とまで言われた方ですが、2001年以来、野菜を中心としたフランス料理へと大きな方向転換をしました。この少し前に、BSEなどの問題がヨーロッパで起こり、食を取り巻く環境に対する彼の考えがきっかけであったようです。

美味しい野菜と果物を手に入れるために、フランスの西部、Le Mans(ル・マン)の近くのSarthe(サルト)に、自ら土地を購入し彼自身のこだわりの農作物を作っています。そして、週に3回、パリからTGVに乗り、この畑に出掛けていくそうです。今では、ノルマンディー地方にも別の畑を持っています。

今回は、その直前に日本に滞在していた私の大親友、そしてパリの大物肉屋でもあるHugo Desnoyer(ユーゴ・デノワイエ)が、シェフと非常に親しいので、特別にデギュスタスィオンムニュ(その店、またシェフの料理を最大限に楽しむコース料理)を作ってもらいました。残念ながら、この日はシェフは不在だったのですが、副料理長のAnthony(アントニー)の信じられない才能とセンス(彼はなんと若干25歳です!!)を堪能する素晴らしいディナーとなりました。

デギュスタスィオンムニュは、なんと15皿ものお料理で構成されていて、残念ながら全てを紹介することはできませんが、いくつかのお料理を写真と共にお見せしたいと思います。


トマトのガスパッチョ、マスタード風味のクレームグラッセ

トマトのガスパッチョ、マスタード風味のクレームグラッセ  本物の大地の味のするトマトの甘み、そしてシェフが気に入って使っている、昔ながらの製造方法で作られた、こだわりのオルレアンのマスタードの風味を効かせたクレームグラッセは絶妙なハーモニーを生み出しています。


バニュルスワイン風味のベトラブとショコラ

バニュルスワイン風味のベトラブとショコラ スペインと国境を接するRoussillon(ルシヨン)地区の天然甘口赤ワイン、Banyuls(バニュルス)風味の若いベトラブ(ビーツ)はしっかりと歯応えが残っていて、ショコラとの組み合わせは驚きです。


ラングスティーヌとベトラブ(ビーツ)のカルパッチョ

ラングスティーヌとベトラブのカルパッチョ ラングスティーヌは、ブルターニュ地方Loctudy(ロクチュディ)産のもので、その新鮮さは素晴らしかったです。異なる歯応えの組み合わせも面白いです。


セロリときゅうりのラビオリ、野菜のコンソメ

セロリときゅうりのラビオリ、野菜のコンソメ アニスの香りのするラビオリ、そしてコンソメはまさしく野菜畑の味!!様々な味が混ざりあってとても斬新なものでした。


ラングスティーヌのロティ

ラングスティーヌのロティ 同じくブルターニュ地方Loctudy(ロクチュディ)産のロティ、香ばしい焼き加減は絶妙です。


以上、食べきれないほどの量だったのですが、食に携わるプロの仲間同士、会話ははずみ忘れられないディナーとなりました。私がまだ子供の頃に祖父母の家で食べていたような、しっかりとした大地の味のする野菜たち、まだまだフランスでもこのような素材を見つけることができるんだと、新鮮な驚きに満ちた時間でした。

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大親友、ユーゴ・デノワイエ(Hugo Desnoyer)

私が18歳の時、妹の同級生に面白い少年がいました。彼はなんと肉が大好きだったのです。当時14歳だった彼は学校の勉強は自分の役には立たない、と日々の生活にうんざりしていました。そしてある日突然友人達にこう宣言したのです。


「僕はフランス一、いや世界一の肉屋になる!」


この突拍子もない発言に周囲の友達は大笑いし、それ以来彼から離れていきました。でも、数人の友達と妹を始めとした私たち家族は、真剣に語る彼を見守り、応援しました。

精肉業界で働きたくて働きたくてうずうずしていたユーゴはそれから3年後には精肉の学校を修了し、パリの280km西にあるラヴァル(Laval)という街で精肉店をしていたドゥルオ氏(M. Drouaud)の下で働きだしました。ドゥルオ氏はいわゆる職人気質の古い人間で、ユーゴはここで食材や肉の見極め方を体で覚えていきました。

修行から数年が経つと、ユーゴはパリに移ることに決めました。そう、彼の目標はフランス一、いや世界一のブーシュリ(精肉店)を構えること。そのために彼は密かに計画を練っていたのです。

パリの有名ブーシュリを何店か渡り歩いた彼はある店にたどり着きました。そしてある日、そのオーナーがこう言ったのです。「私はもう引退だ。お前にこの店を譲ろう。金は出世払いで構わんよ。」ユーゴの店 

オーナーは日々ユーゴが肉、それ以上にその元となる動物に愛情と敬意をもって接する姿を見て、彼なら間違いなくこの店を大きくしてくれると確信したのでした。

それから約9年・・・。パリ、14区にあるユーゴの店「ブーシュリ・デノワイエ」は今やミシュラン星付きレストランのシェフご用達の有名精肉店になりました。ランブロワジー、ガニエール、アルページュ、アストランス、ジャマン、リッツ、サンドランスなど有名レストランは皆彼の店の商品を愛用しています。そしてなんとエリゼ宮(大統領官邸)も彼の得意先です。

彼の店が有名シェフ達から絶大な信頼を受けているのはその品質にあります。ユーゴがこだわって仕入れている商品の一部をご紹介しましょう。



仔牛  仔牛
 フランス南西部コレーズ県(Corréze)の仔牛です。ユーゴは月1~4回開かれているフランス仔牛品評会での上位4頭を買い取っています。月齢は3か月以上6ヶ月以内、枝肉重量で140~170kgです。ユーゴはまず仔牛の全体を見た後、脚の細さを確認、(細いほど肉をたくさんかかえた良い肉です。)目の色が濁っていない、きれいな白であること、皮が薄いことなど瞬時にチェックします。枝肉の状態で仕入れる時は肉や脂肪の付き具合、色(薄白っぽいピンク)、あばら骨が細いこと、肋骨周辺の肉に霜が降っていること、腎臓脂肪は指でつぶした時にサブレのようにボロボロとくずれるか(ゴムのようなものはダメ)、など入念にチェックされます。

ビーフ ビーフ・家きん
 品質の安定性があり、高い評価を得ている品種、リムジーヌ、サレール、オブラック、ブロンド・ダキテーヌなどを仕入れています。これらの牛の飼育農家はすべてユーゴが実際に訪問し、その餌の状態まで確認しています。(彼は草や大豆、亜麻など飼料の質までチェックします。)彼の仕入れる肉はすべて4~6歳以上で、また良い霜降り状態にするため仔牛を2,3頭は出産している必要があります。それらの条件を満たし、更にユーゴのプロの目にかなったもののみが店頭に並ぶのです。

ポーク、ラム、家きん、ハム など生ハム
 ポークはドルドーニュ県(Dordogne)産のフリーレンジ・ポークです。フランスで200年以上前から行われている飼育法で、自然の状態で放し飼いされたポークです。
 またラムはロゼール(Lozère)産のみを扱っており、パリ、フランス一の品質との評価を得ています。
 クートゥイ社のヴァンデ産クロワゼ種仔鴨、パルミフランス(私の会社です…。)厳選仔鳩、ゴロワーズ・ブランシュ種の鶏(非常に珍重されている足が青い品種です。)、幻の鶏と言われるトゥーレーヌ地方のジェリーヌ黒鶏(ジェリーヌ・ドゥ・ドゥーレーヌ/Géline de Touraine)、ラカン(Racan)産仔鳩、ブレス(Bresse)産の鶏(プーレ/poulet)、肥育した雌鶏(プーラルド/poularde)など高級家きんも充実しています。
 
加工品も最高級のベヘールブランドのイベリコベジョータの生ハムや20か月熟成黒ラベルトレベレスハムなどが並びます。生のフォアグラなどもあるんです。



このように厳選された最高の肉のみを取り扱うユーゴは、
フランスの料理雑誌やテレビ・ラジオ、海外メディアでも取り上げられ、パリ一、そしてフランス一の肉職人、いや、まさに肉の「アーティスト」だと称賛されています。彼の夢は叶ったのです。

親友ユーゴ応援してきた私や家族も彼の成功を心から喜んでいます。最高の肉を店頭に揃えようと常に努力をしている真面目なユーゴは今や私の大親友でもあります。夢を現実のものとしたと思われる彼ですが、まだまだ夢は大きく、今は世界に目をむけて突進しています。

先日はトップトレーディング同行のもと、和牛の勉強をしに日本へと旅立っていきました…。(その日本紀行の様子はトップトレーディング・スタッフが近いうちに報告してくれる予定です。)いつしか行列のできる彼の店に霜降り和牛が並ぶ日が来るのかもしれませんね。 そして彼が本当に「世界一」の肉屋になる日が来るような、私にはそんな気がしてなりません。

私たち家族はそんな彼をこれからも応援し続けます。

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